一方、アマチュア映画の世界では、当初は16mm映画が発端となっています。そして16mmフィルを半分に裁断し16mmの画面を四分一にした8mm映画(レギュラー8)が開発され、コダックのコダクロームを使用した外式発色現像のカラーフィルムは1930年代から著名です。しかし当時の感材技術からして8mm映画はアマチャア映画といえども決して満足の得られるものではありません。16mmフィルムは黒白の反転ポジ・ネガポジ・コダクロームカラーがありましたが高価でアマチュアがたやすく手を出せるものではありませんでした。
フランスのパテシネ社では、16mm映画フィルムの画面の両端のパーフォレーションの部分を切り落としたような、そして画面のさかいの中央にパーフォレーション(穴)を空けた9.5mmフィルムが開発されました。これはフィルムの幅を40%近く狭めながら、画面の大きさは16mmの面積をほぼ維持した経済的なフィルムで、第二次大戦前のアマチャ映画の世界で世界的に普及しました。しかしこのフィルムの製造がフランスのパテ・ドイツのアグファ・ゲバルト社が製造していたことの為、第二次大戦が始まると同時に貿易が途絶え短命に終わったようです。ただ戦後もわずかながら製造されておりましたが、今では全く製造されていないようです。日本に於いては、経済的な理由から35mmフィルムを半分に切断した17.5mm映画が極めて短い間に少量使用されていたようです。これは幻のアマチュア映画フィルムとでもいえるでしょう。